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 問診の結果、性行為が少なすぎたり、不適切なときに行われていたと診断されることがあります。そのような場合には月経筒期をモニターして、もっとも適切なときに夫婦生活を試みると良いでしょう。
 しかし、卵子の成熟に関する問題が認められたときには、薬剤による治療が必要です。



 ほとんどの国の不妊クリニックでは、治療を始めるにあたって夫婦が一定の条件をクリアすることが求められます。

女性は40歳未満(例外的に45歳未満)で、風疹に対する予防を十分にすること。
HIVテストが陰性。
不妊が他の方法では解決できない。

 国によっては、ほかにも条件があるかもしれません。例えば、治療を希望する夫婦は結婚していること、配偶者間の卵子と精子だけがIVFに使われることなどです。


 


 女性のホルモン刺激療法は、通常は月経の5日目から開始します。
最初に行われる治療の1つは、性腺刺激ホルモンのレベルを増やすための錠剤(クエン酸クロミフェン)を服用することです。この簡単な治療では、排卵がいつ起こるかを判断すること、そして多胎妊娠を避けるために綿密なモニタリングが実施されます。
 治療が3-4周期をすぎても排卵が起こらなかったり、6周期たっても妊娠しないときには、医師にもう一度相談するべきです。

 性腺刺激ホルモンを使う場合、毎日注射をしなければなりません。
ホルモン刺激療法は、LH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の2つのホルモンが含まれる薬剤(hMG製剤)、あるいはFSHだけの薬剤(FSH製剤)などによって行われます。
 ただ、卵胞の成熟を刺激するために必ずしもLHの必要はありません。これはほとんどの女性は十分なLHを自分で作れるからです。このような場合、皮下に注射できる高純度のFSH製剤が有効です。
月経周期の8日目から、超音波と血液検査で卵子の成熟を調べます。投与されるFSHなどのホルモンの量は、卵子の成熱の度合いによって医師が調整します。卵胞が十分に大きくなれば、次にはLHと同様の働きをするヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG:胎盤から分泌されるホルモン)によって排卵が誘発されます。

その後、性交または人工授精によって受精が行われます。
 


 人工授精とは、排卵直前の時期に、ご主人の精液を採取していただき、その中から良好な精子だけを選びます。普通の性交渉により、子宮の中に入って行く精子より、かなり多量の良好精子を子宮腔に注入する方法です。

AIHが適応されるとき

●精子減少症や精子無力症で、精子に障害がある場合 人工授精が行われる際にもっとも多いケースです。

●性交障害 尿道下裂、陰茎屈曲、膣の狭窄のために性交障害になる場合、腔痙學、勃起力不全、インポテンス、極端な早漏や遅漏などの射精障害。

●精子の進入障害 女性側の頚管粘液分泌不全や頚管粘液がほとんどない場合や、 子宮頚管の狭窄や強度の子宮後屈、前屈などで精子が子宮内の上昇を妨げられる場合。   その他、これといった原因が特定できない機能性不妊や、 長年いろいろな治療を試みたけれど妊娠に至らないという場合に、 最終的な手段として行います。 

人工授精の回数について

とりあえず5回をひとつの目安とし、時に8〜10回目で妊娠の成立をする人もいますので、ご本人の希望により、10回まで続けます。それでも妊娠できない場合は次のステップに進みます。 

人工授精(AIH)による男女産み分け法について

何人かお子さんがいるのですが、次はどうしても男の子が欲しい、女の子が欲しいというご夫婦、当院ではパーコール法によるAIHでの男女産み分け法があります。昔から酸性、アルカリ性理論によるAIHでの男女産み分け法がまことしやかにいわれていますが、これはあてになりません。男の子か女の子かは男性の精子のうちXー精子、Yー精子のどちらが卵に入るかにかかっています。そこでXー精子とYー精子の性質のちがいを利用してパーコール液を使ってXー精子とYー精子を分け、男の子ならYー精子、女の子ならXー精子を人工授精(AIH)することによって理論上80%の確率で男女の産み分けができると考えます。

人工授精(AIH)のプロセス

(1) 基礎体温表、頚管粘液検査、超音波検査などから排卵日を推定します。 排卵直前にあたる日を実施日と決め、来院します。来院前4〜5日は禁欲のこと。

(2)夫はマスターべーションで採精します。 採精した精液はすぐに数、奇形率を測定します。そのまましようしたり、洗浄濃縮法といって、もっとも適した方法で 精子を洗浄濃縮し授精能力を高めるため培養し、その場合は 授精準備にはおよそ40分から1時間かかります。

(3)妻は内診台(あるいは専用の台)に上向きに横たわり、処置しやすいように脚を大きく横に広げます。 授精は子宮口を越えた子宮の中心よりやや奥に行われます。 腟鏡で腟を伸ばし、洗浄濃縮した精液(0.5cc) を人工授精カテーテルをつけた注射器で子宮腔内に静かに注入します。 通常は痛みはなく、約1分で終了します。 授精後は5分ほど骨盤を高くして安静にしますが、ただちに歩行してもかまいません。 少量の出血をすることがありますが、子宮びらんや機械操作の刺激によるものですから、心配はいりません。 ただし、量が多かったり、高熱が出たり、下腹部痛のあるようなときは医師にその旨を伝えます。

(4)感染予防のため1〜2日分の抗生剤が投与されます。 黄体機能不全の治療が必要な方は医師の指示に従います。 帰宅後は食事も入浴もふつうどおり行ってかまいません。   これで人工授精は終了です。そのあとはこれまで同様に基礎体温をつけます。 基礎体温が高温になり3週間ほど続けば妊娠は確実です。 妊娠の兆候があらわれない場合は再度検討してつぎの機会にトライします。 あらかじめ推定した実施日が排卵日より早かった場合はその時点で1〜2回、 授精をしなおすこともあります。したがって人工授精後数日間は、 通院し、医師に基礎体温表を見せて、タイミングが合っていたかどうかを判定してもらう必要があります。 人工授精で妊娠成立する人の50%は6回までに成功しています。  人工授精は外来で痛みもほとんどなく行えるものなので、連続でなくてもおよそ10回くらいまでは繰り返し行います。うまくいかないときは気分も沈みがちになりますが、「また来月がある」「次回に期待!」と明るい気持ちで過ごしていきましょう。 なお、なかなか妊娠しない場合には医師とともに再検討することになります。  人工授精(AIH) の成功率は必ずしも高くなく、現在のところ10%程度です。最近では妻の年齢や受胎能力などを考慮したうえで、他の治療と並行しながら比較的早い時期試みる傾向にあります。

精子の選別

人工授精の場合には運動性のよい優秀な精子だけを選んで注入する方法をとり、妊娠率の上昇をはかります。この方法を優良精子選別人工授精法といい、主に3種類あります。

(1)遠心分離法 精液に約3倍の量の培養液を加え、よく混ぜ、遠心分離をします。そうすると授精を妨げる物質が上ずみ液となり、精子だけが下に沈みます。こうして濃い精子の液を用います。

(2)スイムアップ法 遠心分離法によってできた濃い精子の液に培養液を注いで30分間静かにします。 上のほうに元気な精子が浮遊してくるのでそれを待ち受けて人工授精に使います。

(3)パーコール法 試験管に少しずつ密度の異なるパーコールという液体を積み重ね、 精液を加え、遠心分離します。こうすると精子の濃度が高まり、 運動率も向上するので妊娠率もアップします。

精液の凍結保存

一般に人工授精や体外受精は採取したばかりの新鮮な精液を用いて行っていますが、最近では凍結精子を使って行うケースも増えてきました。ご主人が仕事などの都合で毎回指定された日時に来院できるとは限りません。そこで、あらかじめ都合のよい日に精子を採取し、凍結保存する方法があります。  採取された精子は洗浄し、保存剤とともにマイナス196度Cで冷凍保存します。理論上は100年でも200年でも保存は可能です。精子にダメージはなく、新鮮精子の授精能力となんら変わることはないので、必要な際に解凍して使用することになります。   この方法は睾丸腫瘍の患者さんや白血病の患者さんの役にも立っています。アメリカでは実際に精子バンクがあり、軍隊や放射能を浴びる可能性のある仕事に従事している人々が利用しています。医療的にも経済的にもメリットが多いものです。

 





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