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不妊・人工授精・体外受精クリニック。すずきレディースクリニックです。

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体外受精

体外受精・胚移植

体外受精-胚移植とは


 卵巣から卵子を排卵直前に経膣的に超音波装置で観察しながら、針で穿刺し採取します。卵子と精子を試験管の中で混ぜ合わせて受精させ、受精を確認した卵(胚)を、カテーテルを用いて子宮腔に戻す(胚移植)ことにより妊娠を期待する方法です。

体外受精法はどんな夫婦に必要か

体外受精が世界中に普及し、技術的にもかなり安定し、信頼性も高まってきました。しかし、この方法も万能ではありません。妊娠成功率も、まだまだ改善が望まれます。

  体外受精を受ける前に、不妊の原因はどこにあるのか系統的に検査をし、それに基づいて治療を受けることが大切です。しかし、女性の年齢とともに起こってくる卵子の老化と数の減少はどうしても避けられない障害になります。この意味から、他の方法で妊娠することが難しいと判断された場合は、なるべく若い時期に体外受精法を受けるようにしたいものです。

以下の条件を満たす夫婦を体外受精-胚移植法の適応です。

①卵管性不妊
 両側卵管の器質的、機能的閉塞により従来の方法では妊娠不可能な夫婦 例えば子宮外妊娠を繰り返し、左右の卵管が無い場合、感染症で卵管が閉塞してしまい、 卵管形成術を受けても不成功に終わった場合など

②精子減少症
  精子が少なく、運動率も悪く、人工授精を長期にわたって繰り返しても妊娠できない
 a: 夫の精子数が1000万/ml未満の夫婦  
 b: 夫の精子数が1000万~4000万/mlで、数回の配偶者間人工授精によっても妊娠しない夫婦

③免疫性不妊
 妻が抗精子抗体陽性の夫婦 

④未破裂黄体化卵胞
 
基礎体温は二相性になっているが、卵が卵巣外に排出していない場合

⑤原因不明不妊  
この他、種々の検査を行っても不妊の原因がなく、体外受精-胚移植法またはそれに準じた方法以外のあらゆる不妊治療が奏効せず、不妊期間が3年をこえる夫婦

体外受精の手順

①卵巣刺激法

  妊娠率を高めるためには、良質な卵が多数必要になります。そのため、下垂体性性腺刺激ホルモン(hMG)を注射し多くの卵胞を発育させます。卵胞の発育は超音波による診断や血中のホルモン(エストラジオール・E2)の測定によって、その数と成熟度を推定します。その後、胎盤性性腺刺激ホルモン(HCG)を注射し採卵を待ちます。

② 採 卵

 外来で卵胞の大きさを診るときに使う経膣超音波を使いながら、膣から採卵針を差し込んで卵胞液とともに卵子を吸引します。採卵前に軽く麻酔をかけますので痛みはほとんどありません。また、採卵時間も30分以内で終わります。

  ③精液の調整と媒精

 採卵の当日、マスターベーションによって採取します。 採取した卵子は数時間培養して成熟させます。精子は培養液で処理し、良好精子だけを選別します。その後卵子と精子を一緒に混ぜて受精させます。採卵の翌日受精が成立したかどうか判定します。受精が成立しない場合、移植は中止になります。

④胚移植法

  受精に成功し発育した受精卵は、受精後36~42時間後に子宮に戻します。これを胚移植と言います。胚移植は人工授精と同じ要領で行い、数分で終了し、麻酔も必要ありません。移植は良好な受精卵を3~4個移植すると妊娠率が高いとされています。胚移植後は数時間ベットで安静にしていただきます。胚移植後、しっかり着床するまでに3~4日かかります。このあいだは、心身ともにゆったりと過ごしましょう。夫婦生活は妊娠の成否が判るまでやめておきましょう。仕事は激しい肉体労働以外、通常通りでかまいません。

⑤黄体期サポート  

胚移植後、着床を助けるために黄体ホルモン(プロゲステロン)や、胎盤性性腺刺激ホルモン(HCG)を注射します。 胚移植後約2週間で妊娠の成否を確認します(尿の妊娠反応)。採卵翌日から黄体ホルモンを10日間服用したりします。

体外受精法をいつ決心するか

  最近、女性の晩婚化はますます進み、40才を過ぎて赤ちゃんに恵まれないカップルが増加してきています。体外受精の妊娠率は35才頃から低下し始め、40才を過ぎるとさらに低下します。これは、人間の老化現象であり避けられないことです。このようなことを考えると、今まで受けていた不妊治療からいつ切り替えるか大変迷うところです。治療を行う立場から言うと、30才代前半には体外受精法を開始し、少なくとも3~4回行うことができれば、かなり優秀な成果が挙げられると考えます。つまり30才以降の女性で3~4年通常の治療を受けても妊娠できない場合は、体外受精法を受ける決心をした方が良いのです。今まで人工授精を受けている方は、6回ぐらいつまり約半年間人工授精を繰り返しても妊娠できない場合、体外受精を考えた方が望ましいでしょう。卵管が原因と考えれる方は、卵管を開通する手術を行いますが、それでもうまく行かないときはやはり体外受精に切り換えます。子宮内膜症などで、腹腔内癒着が考えられる場合も同様です。また、原因不明の不妊症に対しても、なるべく早期に切り換えた方がよいと思います。

  体外受精法の費用について

体外受精法は他の不妊症の治療法とは比べ物にならないほど費用がかかります。それは、現在のところ体外受精法には保険診療が適用されないからです。体外受精法の費用は排卵誘発剤、超音波検査、ホルモン測定、採卵、卵子および精子の調整と培養、胚移植、黄体期の管理、が主なものです。


IVF-ETの治療の実際

(1) 月経が開始したら
 月経2日目か3日目に来院。

(2) 卵巣刺激法(卵胞発育の促進) 一般的に採卵に先行して,卵巣刺激による卵胞発育の促進を行います。これは複数個の成熟卵を採取して,結果として胚移植可能な良好胚を得る確率を高めるのが目的であるといえる。

[アンタゴニスト使用による体外受精胚移植]

 月経3日目から、午前、午後どちらでも結構ですので外来受診して下さい。毎日排卵誘発剤のhMGを注射します。卵胞径が13~14mm程度),GnRH antagonistの使用を開始します。 GnRH antagonistは使用開始直後からただちに内因性ゴナドトロピン分泌を抑制します。採卵設定時間の35時間前にhCGの注射を行うほかに、スプレーを300~450μgを33時間前に使用する事により排卵を起こすことも可能です。  このようにGnRH analogueを併用しつつ卵巣刺激を行うことをcontrolled ovarian hyperstimulationとよびます。

●採卵手術

 採卵の際しては、手術室で局所麻酔に静脈麻酔を併用して採卵を行います。 時間については医師の指示に従ってください。採卵当日は通常通り外来を受診し、卵巣の状態を超音波で診た後、待機していただきます。採卵室で消毒をし、局所麻酔を施した後、静脈麻酔を併用して採卵します。採卵は、超音波ガイド下に、卵胞を確認しながら針を刺して、卵胞液を吸引して、卵胞液中の卵子を採取します。もし、卵胞液中にない場合は培養液で卵胞を洗います。採卵する医師と卵子係が、卵子の有無を対話しながら行います。尚、採卵により多量の出血を来した場合等に緊急に開腹手術を行う場合もあり得ますので、お含みおき下さい。採卵が終了しましたら、病室で2時間安静に横になってもらいます。その間出血もなく特に問題なければ帰宅となります。採卵翌日も卵巣をはじめ腹腔内に異常がないか超音波で確認をしますので外来受診して頂きます。

●精液採取  

精液の採取は採精子室か自宅で行ってください。、精液所見が不良な場合は再度精液採取をお願いする場合がありますので、担当医の指示に従って下さい。また、当日どうしてもご主人が来院出来ない場合、予め精子を凍結保存しておくことが出来ますので、担当医にご相談ください。

6)受精の判定

採卵翌日に受精の有無を判定します。時間の都合で受精の判定が明確に出来ない場合もあります。

●胚移植

 受精して、分割した卵を胚といいます。胚移植は通常、採卵の翌々日に行います。手術室で行います。 子宮の入り口から、細いチューブで子宮の中に胚を戻します。 胚移植自体は5分以内に終了します。麻酔は使用しません。移植後そのまま1時間安静にします。移植の個数は、学会で1個との勧告がでていますので、多数の胚が得られた場合は、至適と考えられる個数を移植し、余剰胚は凍結します。尚、卵巣が腫れすぎている場合や、内膜の状態が悪い場合は、移植を中止し、全ての胚を凍結します。また、分割卵が1つも得られなかった場合は、胚移植は中止となります。

●黄体ホルモン投与
 判定日まで、毎日プロゲステロン剤(プロゲストンなど)を筋注します。近くの産婦人科などで注射を希望される方は、医師にご相談下さい。

●判定
 胚移植の2週間後に妊娠判定を行います。 妊娠反応が陽性の場合、採血して、血中hCGの定量を行います。黄体ホルモンの注射を継続します。1週間後に超音波を施行し、胎嚢の位置や数を確認します。 [判定が陰性の場合(妊娠しないとき)] 反応が陰性でもごくまれに子宮外妊娠などの場合もありますので、異常を感じたら直ちに受診して下さい。

1.凍結胚がある場合
 高温相になったら来院し、凍績した胚を戻すための卵巣の状態をチェックします。

2.凍結胚がない場合
 月経を1~2回みたあとの高温相より次の刺激のためのチェックが可能です。続けて刺激すると、卵巣の反応が悪化し、良い結果が得られませんので月経1周期はお休みが必要です。スプレキュアは冷蔵庫に保管すれば、1年位は有効です。判定が陽性の場合(妊娠したとき) 妊娠反応が陽性の場合、黄体ホルモンの注射を継続します。1週間後に超音波を施行し・胎嚢の位置や数を確認します。また、反応は陽性でも、流産に終わったり、子宮外妊娠になったりする場合もありますので、暫くは1週毎の受診を継続します。胎児の心臓の動きが確認できたら、黄体ホルモン剤を週1回のものに変更します。パーロデル・テルロンなどの内服をしていた方はこの時点で終了としてください。妊娠3ヵ月半ば位より、産科病医院に健診を依頼します。その後も分娩まで何かあればご相談下さい。

2.採卵による、出血等の危険性:
 採卵は、基本的には超音波ガイド下に針で、卵巣を穿刺して、卵胞液を吸引するという方法で行いますが、予期せぬ出血の為、開腹手術、輸血が必要な例が学会で報告されています。輸血した場合、輸血後肝炎の危険性があり、肝機能検査を継続する必要があります。

3.麻酔の危険性

局所麻酔によるショック→血圧低下、呼吸不全などの可能性があります。

4.採卵、胚移植による感染:
 細菌の混入により、発熱、膿瘍形成などの可能性があります。予防のため、抗生物質の投与を全例にします。

6.奇形児の発生:
 不妊症の場合母胎が高齢化する傾向があり、全体の発生率は自然妊娠より高くなりますが、同一母胎年齢別の比較では、自然妊娠と同等です。
(5)凍結胚解凍移植 
胚を凍結したことによる奇形等はみられていません。凍結を導入することで、卵巣刺激や採卵の回数を減らし、侵襲を軽減できるとともに、症例によっては、子宮内膜の着床に適した時期に移植が出来たりするという、メリットもあります。移植周期は自然の排卵周期と人工的周期の2種類がありますが、現在主に人工的周期を用いています。その方法を示します。

[解凍周期の実際] .

内臓薬の服用:
 内服薬を処方します。胚移植の日を決定してから、細かいスケジュールを決めます。日程表を作成しお渡しするので、内服薬は担当医の指示に従って日程表の通りに内服して下さい。医師の指示をよく確認して下さい。以後指定された日に来院してください。採血と超音波による内膜の発育状況の確認を行います。薬がなくなりそうになったら各自注意して、なくなる前に早めに申し出て下さい。また、張り薬を使用する場合もありますので、医師の指示をよく聞いて従ってください。

.黄体ホルモン剤注射: 
胚移植2日前より開始します。以後判定まで、毎日注射します。内服のも継続してください。

.解凍:
 胚移植前日に外来で内膜の状況を確認後解凍します。超音波、注射があります。

.胚移植:
 外来で超音波、注射終了後、手術室で行います。胚移植は採卵周期と同様に行い、2時間安静ののち帰宅していただきます .

外来受診:
 胚移植後5日目と10日目は(採血)と超音波検査があります。移植後2週間で妊娠の判定を行います。尿の採取方法も同じです。 .

妊娠成立後:
 妊娠12週まで、内服を継続していただきます。

.胚の保存期間: 
夫婦が離婚したり、いずれかが死亡されたりした場合は廃棄させていただくことになっております。 0副作用: 前述のとおり凍結が原因と考えられる奇形の報告はヒトでは、ありません。ただし、凍結解凍にともなって、胚が100%戻るとは限らないこと、不可抗力により(大震災など)胚の保管に支障をきたす可能性はゼロではないことを予めおことわりさせていただきます。解凍した胚が1日おいて発育していない場合は、移植を中止します。



診察時間

 
午前09:30~12:30
午後16:00~19:00

※木曜・土曜の午後、日曜日と祝日は休診です。 TEL 0798-39-0555


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